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「推し活」文化入門:熱狂的ファン活動が生む経済圏

「推し活」とは、自分の“推し”(応援したい推奨対象)であるアイドルやキャラクター、アーティストなどを全力で応援するファン活動のことです。

もともと日本では昭和の時代から好きな芸能人を追いかける「追っかけ」や、平成にはアニメやゲームに熱中する「オタク」文化が存在しました。

今回は、日本で広がる推し活について、考えていきましょう。

推し活 – 日本に根付く応援文化

しかし「推し活」は、それら従来のファン活動と比べても「応援する」という行為自体に重点が置かれている点が特徴です。

例えば、「推しが好きだから(自分のために)グッズを買う」というより「推しが好きだから(推しのために)グッズを買う」ような発想で、ファンは時間とお金を捧げます。

応援の対象(=推し)はアイドル、声優、VTuber、二次元キャラクター、果てはプロスポーツチームや企業ブランドにまで及びます。

活動内容も多種多様です。

推しの出演するライブやイベントに足を運ぶ、配信動画でスーパーチャット(投げ銭)を送る、コラボカフェや聖地巡礼に出かける、関連グッズを購入・手作りして部屋に飾る等、ファンごとにさまざまな形で「推しと日々を共に過ごす」工夫を凝らしています。

SNS上では推しの魅力を語り布教し合い、誕生日や記念日にはケーキを用意してお祝いする熱心なファンもいます。近年では「推し活」という言葉自体が流行語になるほど一般に浸透し、若者を中心とした文化として認知されています。

政府や企業もこの現象に注目しはじめ、日本銀行の地域経済報告(さくらレポート)には「キャラクター等とのコラボ商品が完売」「イベント開催の週末はホテルが満室」といった推し活需要の高まりが企業から報告されています。

単なる趣味の域を超えつつある推し活は、いまや一大経済圏を形成しつつあります。

熱狂が生む経済効果:市場規模と消費動向

推し活市場の概要

推し活が生み出す経済的インパクトは非常に大きく、その市場規模は数千億~数兆円規模に上ると試算されています。

民間調査では、2024年の推し活市場規模は約3.5兆円にも達すると推計されています。

これは日本のGDPにも無視できない数字であり、推し活が経済を動かす存在になっていることを示します。

また市場調査会社・矢野経済研究所のデータによれば、狭義の「オタク市場」主要16分野の合計でも2024年度に約1兆円規模と推計されています。

16分野の市場は2020年度から2024年度までの5年間で約50%拡大しており、コロナ禍からの回復を経て推し活関連消費は急成長を遂げています。

図表1:主要オタク市場16分野における市場規模推移(2020~2024年度)※矢野経済研究所推計データ

分野 2020年度
(十億円)
2021年度
(十億円)
2022年度
(十億円)
2023年度
(十億円)
2024年度
(十億円)
合計 673 717 833 974 1,009
アニメ 275 265 285 345 350
アイドル 140 150 165 190 205
同人誌 74 80 93 128 134
プラモデル 38 42 55 60 63
2.5次元ミュージカル 12 41 48 50 50
フィギュア 33 35 43 48 45
コスプレ衣装 24 25 27 28 29
音声合成 21 21 26
インディーゲーム 3 17 22 23
ボーイズラブ 17 17 17 17 16
鉄道模型 12 12 13 13 14
プロレス 12 11 12 13 14
メイド・コンセプトカフェ・コスプレ関連サービス 9 10 10 11 12
ドール 10 10 11 11 11
トイガン 9 9 9 9 9
サバイバルゲーム 9 8 7 8 8

国民の10人に1人以上の推し活実践者が経済を回す

推し活人口も右肩上がりで、2024年時点で日本国内に約1,384万人(15~69歳の約16.7%)もの推し活実践者がいるとの調査結果があります。前年より約250万人も増加しており、特に30代女性の伸びが顕著です。もはや「一部のマニアだけの趣味」とは言えない広がりです。

この熱狂的なファン活動によって生み出される消費は多岐にわたります。

推しに関連する公式グッズや作品メディアの購入はもちろん、推しのライブやイベントに遠征するための交通費・宿泊費、推しと同じ服やコスメを身に着けるファッション美容代、部屋に推しグッズを飾るためのインテリア出費など、生活の様々な領域でお金が動きます。

実際、2025年の調査では推し活に費やす支出カテゴリーとして「遠征」「公式グッズ」「チケット」「CD」から「ネイル」まで9項目すべてに相当数の回答があり、推し活消費は極めて幅広い分野に及んでいることが確認されています。

特に出費が多い傾向にあるのは公式グッズ、イベントチケット、CDといった「推しそのもの」に直接関わる項目ですが、これに次いでライブ遠征の旅行費用にお金をかける人が非常に多い点も特徴です。

ファン1人あたりの平均支出額は約25.5万円

ファン一人当たりの年間推し活支出額は平均で約25.5万円にも上り、推し活人口全体では年間3兆5千億円規模の消費創出につながっていると推計されています。

これはまさにファンの情熱が経済を回していることを示す数字と言えるでしょう。

推し活ならではの大量消費行動も経済効果を後押ししています。その典型が、同じ商品を複数購入する動きです。

例えばアイドルグループのCDには握手券や投票券など特典が付くことがあり、推しを応援するために同じCDを何十枚も購入するファンも珍しくありません。

大量購入の特殊消費パターン

ある男性ファンは、推しアイドルのイベント抽選応募券欲しさに最低30枚ずつCDを購入し、累計で1,000枚以上も同じCDを買ったといいます。ピーク時には年に150~200万円を推し活につぎ込んでいたとのことで、まさに生活の大部分を推しに捧げていたわけです。

購入された大量のCDの行方にも注目です。神奈川県のあるリサイクル工場には、毎月10万枚超(重量10トン以上)にも及ぶ不要CDが全国から送られてきますが、その多くはこうした「推し活目的」で買われた大量の同一CDだといいます。

ダンボール箱に50枚や100枚単位で詰められた新品同様のCDが次々と届き、工場ではそれらを素材ごとに分解・リサイクル処理しているそうです。

本来であれば1人1枚買えば十分な音楽CDを、推しのためになら何十枚も買ってしまう――このような熱狂的かつ特殊な消費形態が推し活経済圏の大きな特徴です。

推しに貢ぐ消費はアニメ分野で3000億円規模

こうしたファンの「推しに貢ぐ」行動は、しっかり経済指標にも表れています。

矢野経済研究所の推計するオタク市場では「アニメ」分野が約3,000億円規模と最大で、次いでアイドル、同人誌などが大きな比重を占めます。

アニメ作品のヒットは関連グッズやゲーム化、原作コミック販売など波及効果が大きく、さらに作品ゆかりの地を巡る聖地巡礼による観光消費も盛んです。

例えば、人気アニメ映画「名探偵コナン」シリーズでは、熱心なファンが同じ映画を何度も劇場に足を運ぶリピーター消費が興行収入を押し上げました。

その結果、2018年公開の作品が興収91.8億円だったのが、最新作(2024年公開)では158億円までシリーズ最高記録を更新しています。SNS上では「〇回執行済みです!」(※作品タイトル『ゼロの執行人』になぞらえ、既に何度も鑑賞したことを示すファンの宣言)といった投稿が話題になり、制作側もファンが繰り返し観たくなるよう日替わり演出を取り入れるなど工夫しました。

このように、ファンの熱狂がダイレクトに経済効果へと結びついているのが推し活文化の興味深い点です。

企業の戦略と推し活ビジネスの広がり

推し活マーケティング

莫大な消費を生み出す推し活は、企業にとっても見逃せないビジネスチャンスです。

コンテンツ産業の企業はもちろん、異業種の企業までがファン心理を刺激する推し活マーケティングに力を入れ始めています。

その代表例が、アイドルやアニメにおける「課金投票」企画やイベント商法でしょう。

日本のアイドルグループAKB48はかつて毎年「選抜総選挙」を開催し、ファンがCDに封入された投票券で推しメンバーへ投票する仕組みを作りました。

これによりファンは推しを上位に押し上げるため何十枚ものCDを購入し、同グループのCD売上はミリオンセラーが連発する社会現象となりました(大量購入されたCDの多くは後に中古市場や廃棄に回りましたが…)。

最近では韓国発のK-POPグループでも、イベント応募券やオンライン通話権(いわゆる「ヨントン」券)欲しさに海外のファンがアルバムを箱買いするといった動きが見られ、国境を越えてファンの課金競争が過熱しています。

直接交流が熱狂を持続させる

企業側もファンの熱意に応えるべく、様々な企画を打ち出しています。

握手会やハイタッチ会、サイン会といった直接交流イベントの開催や、ファンミーティングの充実はもはや定番です。また、2.5次元ミュージカル(アニメやゲーム原作の舞台)では公演ごとに一部シーンを変え、日替わりで特定キャストにアドリブを任せる「当番制」を導入する例があります。

これによって初日から千秋楽まで全通する熱心なファンでも毎回新鮮な楽しみが得られる工夫を凝らしているのです。映画やアニメでも入場者特典を週替わりで変えたり、イベント限定グッズを販売したりして、リピーター来場を促進する施策が一般化しています。

運営サイドにとっては、ファンの「同じものをたくさん体験・購入したい」という心理を上手に後押しすることで、推し活消費を最大化する狙いがあります。

活況のお死活グッズ市場

さらに近年注目なのが、推し活グッズ市場の広がりです。

ファンが自分の推しを表現・応援するための便利グッズを販売する業態が成長しています。例えばサンリオは自社キャラクターを用いた「#推しのいる生活特集」と銘打ち、推し活向けグッズを多数展開しています。

タワーレコードも「推し色・推し活グッズ」のコーナーを設け、ライブ会場で掲げるメッセージうちわや銀テープ(紙テープ)保管ホルダーなど、痒い所に手が届くファン向けアイテムを販売しています。

ファン側もこうしたグッズを活用し、現場で存分に推しへの愛をアピールできるとあって人気を博しています。

エンタメ業界以外への波及効果

推し活文化はエンタメ業界以外にも波及しています。ブランドや企業への「推し活」と言える現象も見られます。

たとえば、Appleの新製品発売日にはいち早く手に入れたいファンがAppleストアに行列を作り、Teslaの新車発表には熱狂的なファンが集まって応援するなど、テクノロジー企業にもブランドを“推す”ファンコミュニティが存在します。

これらのブランド信奉者(ブランドエバンジェリスト)たちは、製品を繰り返し購入してくれるだけでなくSNS等で積極的に魅力を発信して企業のマーケティングを支えてくれる貴重な存在です。

高級ファッションブランドでも、人気アイドルや俳優をアンバサダーに起用することで新規顧客層を開拓しつつ、そのタレントのファンによる購買を促進しています。

実際に、日本の人気アイドルである平野紫耀さんがルイ・ヴィトンのイベントで持っていた約37万円の新作バッグが即日完売するという出来事もありました。

平野さんが公式アンバサダーに就任したその日、彼が手にしていたコラボ限定バッグが公式オンラインストアで瞬く間に売り切れ、ファンの「経済まわしてる」といった驚きの声がニュースになりました。

このように推し活のパワーは、ポップカルチャーのみならずテクノロジーから日用品まで様々な業界の消費行動を動かしているのです。

カジュアル化し、いつの間にか推している

推し活マーケティングはより身近になってきています。企業やブランド、あるいはファンが「推し活」とまで認識しなくても、いつの間にか、カジュアルに推し活を楽しむ状況になっているほど、「推し」のマーケティング活用が進んできているのです。

スターバックスの季節限定グッズやご当地マグカップが発売される度に店舗に長蛇の列ができることがあります。「絶対に手に入れたい」と願うファンが開店前から並び、人気のタンブラーやマグは即日完売することもしばしばです。

また、100円ショップのダイソーや雑貨メーカーの無印良品にも熱心な愛好者が存在し、新商品情報が出るとSNSで盛り上がったりまとめ買いが発生するケースがあります。

さらに、作業服などを扱うワークマンは、Instagramでキャンプやアウトドアに同社の製品を活用する女性インフルエンサーを役員にまで登用し、女性が好む色や機能、サイズ展開を取り揃え始め、その後「ワークマン女子」の新しいブランドを成立させた事例もあるほどです。

企業側もSNSでファンコミュニティを形成しやすいよう発信したり、限定品を戦略的に投入したりと、ファンの心理を捉えたマーケティングを工夫しています。

推し活文化が広がったことで、「消費者に推してもらう」ことの価値が改めて注目されていると言えるでしょう。

日本と海外、ファン文化の違い

熱狂的なファン活動は世界各国に存在しますが、その様相は日本と海外で少し異なるようです。

みんなで一緒に推す日本

日本の推し活はしばしば「みんなで一緒に推す」傾向が強いと言われます。一体感を重視し、ファン同士で足並みを揃えて応援する文化が根付いているのです。

例えば「周りのみんながBTSを推しているから自分も推さなきゃ」といった同調圧力的な心理が働くケースもあるでしょう。実際、日本のアイドルファンは公式から与えられたコンテンツを決められた範囲で楽しみ、コンサートに行きCDを買い…と「基本的にみんな同じ楽しみ方」をする人が多いと言われます。

ファン活動において「みんなと同じであること」を大切にする文化があり、極端に目立つような独自行動は敬遠されがちです。良く言えば秩序だって統制が取れているとも言えますが、裏を返せば「ファンが主体となって自由に企画を立ち上げる」という機会は比較的少ないかもしれません。

自分で楽しむスタイルの欧米流推し活

一方、欧米をはじめ海外のファン文化では「他人の推しは気にせず、自分が好きなように楽しむ」スタイルが目立ちます。

アメリカのファンなどはとにかく自由奔放で、各自が思い思いの方法でコンサートを楽しみ、他人の応援の仕方に口出しする人はあまりいません。

ファン自身が参加者となって企画を立てたり、推しの誕生日にファン有志でチャリティー活動を行ったりと、ファン主体のムーブメントが数多く生まれるのも海外ならではです。

例えばBTSの海外ファンは、コンサート会場で客席全体を使って虹色の光の演出をしたり、ファンメイドの楽曲で国境を越えたリレー企画を行ったりと、クリエイティブな応援を繰り広げています。

また、欧米ではファン活動が一種の自己表現として捉えられる傾向が強く、「自分自身が楽しければそれで良い」という考え方が根底にあります。

このため、日本のように「公式が提示したものを受け取って消費する」というより、ファンが勝手に考察や創作をしてコンテンツに参加し、コミュニティを盛り上げる文化が根付いています。

「ファンダム」も注目する「推し活」

もっとも、世界的に見れば推しを愛する気持ち自体は共通であり、方法論が多少異なるだけとも言えます。

韓流アイドルのファンダム(Fandom)などは国や地域を超えて連帯し、チャリティやSNS拡散で推しを盛り立てる国際協力も盛んです。

日本発のコンテンツでも『鬼滅の刃』やゲーム『原神』のように海外ファンが続々と増え、各国のイベントでコスプレイヤーが集う光景も当たり前になりました。

要するに、推し活は世界共通の文化になりつつあり、そこに日本流・欧米流の色合いが加わって多様化していると考えられます。

「自分の好きなものを思い切り楽しみたい」という純粋な気持ちが原動力である点は万国共通と言えるでしょう。

過熱化による問題と「推し活疲れ」

熱狂的な推し活には光もあれば影もあります。特に、「推し活疲れ」に代表されるように、推し活が負担になってしまう現象も、伝えられるようになりました。

推し活疲れの原因

まず指摘されるのが、ファンの経済的・精神的負担です。

推しのためなら財布の紐が緩んでしまうファン心理につけ込み、企業側も次々と課金要素を提供するため、気づけば生活費を切り詰めてでも課金する「沼」にハマってしまうケースが見られます。

先述のように年間で数百万円単位を費やすファンも存在し、中にはクレジットカード借金や貯金の使い果たしなど、金銭面で無理を重ねてしまう人もいるようです。

こうした無理がたたって推しへの情熱がいつしか苦しみに変わり、いわゆる「推し活疲れ」に陥るケースも報告されています。

東洋経済オンラインの調査では、多くのファンが「握手会のための大量CD購入」や「配信での投げ銭」に負担の大きさを感じていると回答しています。

一部には「若い子が際限なく課金しているのを見ると心が痛む」と語るベテランファンもおり、ファンコミュニティ内でも浪費への警鐘が鳴らされ始めています。

ファン同士の人間関係のトラブルに発展する事例も

また、推し活が人間関係のトラブルを生むこともあります。同じ推しを応援する仲間同士で結束が生まれる一方、ファン同士の競争意識や嫉妬が軋轢を生むことも否めません。

例えば「自分よりグッズを持っている人に劣等感を抱く」「推しへの貢献度(課金額)をマウントし合う」といった不健全な競争が生じることがあります。

日本のファン文化では前述の通り多数派に合わせる空気が強く、「ルールを破る目立ったファン」や「解釈違いの発言をするファン」への風当たりが強い傾向もあり、場合によってはネット上での誹謗中傷や晒し行為に発展することもあります。

せっかく同じ推しを愛する者同士なのに、考え方の違いや行為の是非を巡って対立してしまうのは悲しいことです。

SNS炎上を起こしたり、巻き込まれる事態も発生

SNS炎上にも注意が必要です。SNSは推し活に欠かせない交流・発信の場ですが、拡散力が高いだけに一度火がつくと大炎上に発展しかねません。

運営側の発表や作品展開がファンの期待とズレたとき、Twitterや掲示板で批判が急拡大して企業イメージが損なわれる事例も増えています。

例えばゲーム運営が不具合対応を誤って謝罪に追い込まれたり、新キャラクターの設定が従来ファンの解釈と食い違って批判されたりと、企業とファンのコミュニケーション不足が原因で炎上するケースは後を絶ちません。

ファンの側も、推しへの愛ゆえに時に過激な発言や行動に走ってしまうことがあります。過去にはアイドルの私生活(恋愛発覚など)に憤慨した一部ファンが、SNSで攻撃的なコメントを浴びせたり、大量の低評価を付けたりする事件も起きました。

こうした行き過ぎた愛情が憎しみに転じるような事態は、推しにもファンコミュニティ全体にも不幸な結果を招いてしまいます。

健全に推し活を楽しむために

では、熱い応援文化と上手に付き合い、健全に推し活を楽しむにはどうすればよいでしょうか。

自分のペースと範囲を守る

まず大事なのは自分のペースと範囲を守ることです。

推しは人生を彩ってくれる大切な存在ですが、自身の生活基盤を壊してまで貢ぐのは本末転倒です。時間やお金の使い方に優先順位を設け、「ここまで」と線引きする節度が必要でしょう。

幸い最近では、ファン同士で節度ある応援を呼びかけ合う動きも見られます。「推し貯金」を計画的に用意し無理のない範囲で課金するといった知恵を共有するコミュニティも登場しています。

ファン有志が集まって推し活のアンケート調査を行い、その実態や課題を可視化しようという試みも進んでいます。推し活総研のような組織が発足し、ファン文化をより良い方向に導く研究や提言が行われ始めているのは心強い限りです。

企業側にも求められる配慮

企業側にも、ファンとの適切なコミュニケーションと配慮が求められます。

ファンは企業にとって大切な「応援してくれるお客様」です。

コンテンツやイベントの運営においては、一方的に搾取するのではなく、ファンの声に耳を傾け双方向の関係を築くことが長期的な成功につながります。

最近ではSNSや公式コミュニティを通じてファン意見を募ったり、人気投票企画でも過度な経済負担を強いない工夫(例えば電子投票の導入や購入枚数制限など)を取り入れたりする動きも出てきました。

ファン同士のトラブルに企業が介入するのは難しい面もありますが、公式ルールやマナーガイドラインを示して健全なファン活動の範囲を提示することも有効でしょう。

まとめ:推し喝を純粋に楽しみ続けるために

推し活の本質は「好きなものを純粋に楽しむ」ことにあります。

推しからもらう笑顔や感動が日々の活力になるからこそ、ファンは応援に熱中できます。その原点を忘れず、無理せず他者を尊重しながら活動することで、推し活は人生を豊かにする素晴らしい趣味になります。

同じ推しを愛する仲間とは競うのではなく喜びを共有し、時には助け合っていきたいものです。

企業・ファン双方の歩み寄りにより、「推し活」がこれからも明るく楽しい文化として根付き、同時に持続可能な経済圏として発展していくことを期待したいと思います。

参考資料・出典一覧

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